千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2023年度出展作品

しおりの行方-好きな空間を探し、気になる本を集め、見知らぬ誰かに届ける-
[課題設計]

作品概要

技術の発展で簡単に情報にアクセスできるようになった現在、便利な電子媒体ではなくアナログな紙媒体を収蔵する図書館とはどうあるべきでしょうか。私は図書館には機能性以上にそこならではの空間性や体験が重要視されるようになると感じました。
本提案では、紙媒体ならではの「偶然の本との出会い」という体験を「個人の本棚」というシステムが誘発します。
「個人の本棚」とは館内至る所に広がる小さな空の本棚でその日、その時見つけた人のものとなります。ここにその本棚を見つけた人が、気になる本を集めてくる。そして、次にその本棚を見つけた人が全く違う趣味の本と出会うというシステムで、同じ空間を好む人との本を介した偶然の出会いを生みます。この図書館ならではの体験を、閉架書庫をきっかけとした空間構成と、神保町に広がる古書店街に見出した特徴を落とし込んだ本棚の構成が活発にします。周辺に広がるコンテクストを受容するような多角形のスラブに刺さる閉架書庫の壁が、全く異なった空間を生み、それをスロープが結んでいくことで訪れた人は自然と空間を、本をめぐり探し歩いてしまうでしょう。
私が見つけた好きな空間に見つけたこの本棚はいつ、どんな人がデザインしたのだろう。私はそんな想像膨らむ図書館で本を読みたいのです。

対象地域:
神田小川町3丁目

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