千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2022年度出展作品

朝凪のシークエンス
-曖昧を生む修辞としての地口手法の体系研究とその用法-
[大学院修士設計]

作品概要

より多様化が進み複雑に絡み合う現代社会は、近代化の一義的な解釈を脈々と受け継ごうとしたままでは原理、原則により画一化され、そこに当てはまらない多くの人や事物が溢れ失ってしまうような事態が起きているのではないか。
他者の多義的な解釈を受け入れる空間を私は建築における「曖昧さ」であると考える。
そうした建築は「差異」や「境界領域」など、画一化された現代社会から排除されがちな領域までも受け入れることができるのではないか。
本プロジェクトは分析から得られた地口設計手法を基に外部環境下に付与される空間装置の設計を行う。
この手法を踏襲し、曖昧さを持つことで多義的解釈を可能とする空間装置の習作「朝凪のシークエンス」を提案する。
敷地は皇居外苑を設定する。思想家のロラン・バルトは日本論である「表徴の帝国」において、東京の中心は空白であると指摘した。
ロンドンのバッキンガム宮殿などの海外の中心とは違いそこに建築物は存在しない。そして、ヨーロッパの広場のような市民が語らう場所としての機能もしていない。
本設計では外苑の持つコントラストを享受し複雑に絡み合わせる、曖昧さを保有した建築空間の設計を3つの敷地を設定して試みる。
場が保有するコントラストを享受し、複雑で曖昧さを伴う建築空間の設計を行う事により鑑賞者や利用者による多義的な解釈を引き起こす。

対象地域:
皇居外苑

PAGE TOP