千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2022年度出展作品

機械と人の大樹-アキバ的精神のアイロニー-
[卒業設計]

作品概要

再開発で出来た空間やビルの形態はきれいに整理整頓されているがあまり、人々の個性が現れる空間はそこにはなく、さらに人々の生活を支える機械の存在も見えない。

私は、人々のアイデンティティは機械の顕在化があってこそ確立されると考え、敢えて都市にインフラ施設を根幹とした建築を提案する。

構造や環境的側面を担う幹によって、人のための建築は自由になり、アキバで抑圧され始めている人々の欲望は解放されるだろう。その姿は生命感溢れる大樹のようである。

本提案の対象敷地は、旧万世橋駅・神田川・電気街に囲まれており、アキバ文化・景観を継承していく上で重要な場所であり、現在は再開発が予定されている。

また、同系列の店舗が複数存在する秋葉原では、街全体に特有の回遊性があり、巡ることによる他者との出会いが期待できる。

本提案では、神田川の汚染問題や都市のごみ処理問題などを背景に、浄水場・下水処理場・ゴミ処理場・廃棄物発電所・風力発電所を根幹とした。

インフラ施設がコアとなることで、人の生活のためのスラブは自由な形を取り戻し、ストリート性や雑多性を高層化することに成功する。

その結果、住居の壁や屋根は構造体から外れ、人は好きなスラブに住居を設け、能動的な住まい方ができるようになる。消滅した生命力の蘇生である。

対象地域:
外神田1丁目

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