作品概要

「どういう知にどれだけ気付けて享受できるかが、人間の喜びだ。
私たちは、眼前に現れる情報に対峙したとき、そこに潜む知に気付き魅了され、のめりこんでいくことがある。しかし、気付くか気付かないか、享受できるかできないかはその人自身に委ねられているのが現状だ。そこで本計画では、社会空間における、「知の気付き方」を、知の集積地である神田神保町にて、提示する。すなわち、情報から知を享受するための無数の入り口を指し示し、知に潜む引力を、最大化するのだ。
ところで、情報が目には見えないものであったとしても、メディアの形が変わったとしても、私たち自身の存在そのものは、疑いようのない事実である。やはり、知を享受するための入り口を有しているのは、実は私たちそのものなのだ。その確固とした存在ゆえに、いつ何時でも身体動作を伴って情報に対峙している私たちは、知の誘惑に「身を委ねよう」ではないか。什器が私たちに動きを付け、知への入り口を切り開き、私たちを知へと誘ってくれるであろう。」