千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2020年度出展作品

裏驛
-機能をもたない駅の並行日常体験-
[大学卒業設計]

作品概要

私は日々、駅を利用しているなかで、駅を利用する人々の現状に違和感を覚えた。
毎日同じ路を通って乗り換えをし、毎日同じ電車に乗る。
効率性や明快さを追い求める駅において、人々は無意識的で、何かに縛られているように、私の目に映る。
この現状は社会そのものであり、しかし、当人たちは何も意識していない。
私が日常に抱いたこの違和感を建築表現し、現状に対する意識を変えるための提案。

裏駅。
駅の機能をもたない、日常と並行する、電車に乗らない駅。
駅を走る電車を知覚的に体感し、意識を変えることを目的とする。

秋葉原駅を日常的に利用し、無意識的に歩く人が、裏駅の入口であるゲリラ的に現れるエスカレーターなどに、気づかぬうちに乗ってしまい、裏人となる。
裏駅は、7つのプラットホームと呼ぶ建築空間と、それらをつなぐ動線から構成される、一連の体験をいう。
駅と交わることはない。
裏駅での体験におけるルールは一つだけ、プラットホームで電車を知覚したら、そのプラットホームを離れて良い、というもの。

人々を電車で運ぶという機能を中心に考えられた駅。
その本質となる面の、意味としての裏を体験することで、いつもの駅がどこか変わってみえるようになり、新しい感覚を受けることになる。
この状態を意識としての新駅という。
新駅に過ごす人々は、駅を意識的にみえるようになり、裏駅での体験は人々の日常を変えることとなる。

対象地域:
JR秋葉原駅 

PAGE TOP