千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2020年度出展作品

現代アジール論
皇居前広場回遊路計画
[大学卒業設計]

作品概要

現代のせわしなく、情報で溢れた社会に求められるのは、日常の喧騒から逃れることのできる場所「アジール」だと考えた。その一つが、皇居前広場なのではないだろうか。皇居南東部に位置する皇居前広場は、戦前には天皇を主体とする儀式、戦後には左翼勢力によるメーデーが行われるなど、民衆のための広場であったという歴史を持っている。そのような場所であるにも関わらず、現在ではその重要性が認識されずに残された、都市の空白地帯である。この広場に回遊路を提案することで、皇居へ向かう一方向性の場の構図から、広場という空白そのものと向き合う、中心性の場の構図へと転換する。手摺りや橋、既存の柵と黒松からなるこの回遊路を歩く人たちは、日常の喧騒から離れた静けさの中で思索に耽ることができ、同時にこの広場の重要性を認識することができる。そのような人が増えていくことで、皇居前広場は現代のアジールへと再認識されるのではないだろうか。

対象地域:
皇居前広場 

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