神田の再開発による路地空間の消滅と無個性のオフィス街化の課題から神田ならではの地域のパーソナル空間として路地空間の活用法を考える。都市は表と裏があることで様々な人の営みを許容してきた。裏では地域に住む人々などのコミュニティの場として成立してきた。この関係性があることで都市の多様性や地域特有の発達や個性が培われてきた。
神田も同様に江戸から続く文化や人情が、人口は減ってはいるが今もなお継承されている。それを表す空間が路地空間であると考える。歴史的に、江戸時代から続く「会所地」のような空間は路地や細い道にあるお店として引き継がれ、神田の人々は自分たちの居場所として大切にし、ともに暮らしてきた。現在は地域のための広場など存在しないがお店や街区、道として残っている。これからの点に着眼し、オフィスに飲み込まれつつある街の埋もれた特性を最大限に引き出す設計を提案する。
対象地域:
内神田1丁目