千代田区を舞台とした学生設計展|JIA関東甲信越支部 千代田地域会

2020年度出展作品

陰翳堂書店
陰の中の翳
[大学院修士設計]

作品概要

近年、日本の都市は明るすぎると言われる。文明開化により、西洋の照明技術が流入し「明るさ=豊かさ」という意味は大きくなり、過剰なほどに明るくなった現代の街を見て一度本来の日本らしさに立ち返って考えてみたいと思った。照明技術が入って来る以前、日本人はろうそくや灯油の灯を頼りに夜を過ごしていた。豆電球ほどの光を包み込むように闇に覆われた環境を、日本人は暮らしやすいようにさらに明るくする技術を作るのではなく、その灯に照らされた闇の中に美を感じ、美しみ、「影の文化」をつくりだした。
神保町...本の街として発展してきたこの街は都市の高層化・高密度化の流れを経て、今日では当たり前となったペンシルビルの林立する大都市東京の一部となっている。しかし、大きな建物は都市に大きな影を落とし、都市の中に生まれた日の当たらない場所は悪条件として扱われる。しかし、神保町では本が日焼けしないよう古書店は皆北側を向き、影の中で店を開いている。ここでは日の当たらない場所に使い道があるのだ。
この神保町の古書店と影の関係を利用し、神保町の都市(陰)の中に古書店(翳)をつくり、現在は忘れられた「影の文化」を現代の東京の都市に提案する。

対象地域:
神田神保町3丁目

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